2009年08月28日

催眠〜Hypnosis(松岡圭祐)

saimin.jpg FLさんが大好きな「千里眼」シリーズ。文庫とハードカバーでは内容が違うらしいのだが、古本だから文庫を選択。大きな期待はせずに読んでみたが、確かにプロットがきっちりとまとまっていくさまは気持ちがよい。

 ただ、科学的に書こうとしている部分がどうもうそ臭く見えてしまいちょっとがっかり。次は千里眼を読んでみることにしよう。
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2009年08月25日

レベル7(宮部みゆき)

lebel7.jpg タイトルからするとSFチックを連想するが、そうでもない普通の作品。火車なみの長編だが、半分くらいで筋やエンディングが丸見えになってしまうため面白くない

 久しぶりにはずれの作品だったと思う。最近宮部みゆきばっかり読んでいたから(古本屋でまとめ買いしたし・・・)、ちょうど潮時でもあったので、いったん休憩することにしよう。

 ちなみに R.P.G.での探偵さんが出てきたりして、読者サービスもあるんだろうけれど、ヒロインが多すぎて(それも全員が美人、美人と書くものだから)食傷気味になることも作品を面白くなくしている理由のひとつかな?
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2009年08月23日

R.P.G.(宮部みゆき)

rpg.jpg サイドストーリーといった趣の秀作。ネット上での擬似家族ごっこを続けていた父の死。犯人は誰か?

 けっこう読める筋でどんでん返しも無いからあまり面白くない。往復1時間半ほどの車内でほとんどが読めてしまうような長さ、つまり短編でもないし長編でもないって長さはまとめ方が難しいんだろうなぁと感じる作品だった。この意味でクライトンってすごい作者なんだなぁ。
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火車(宮部みゆき)

hiuruma.jpg 傑作とも代表作とも言われる有名作品。

 わかりやすいプロットでラストまで突っ走るのだが、いかんせん 長い。 3/4 もしくは 2/3 あたりまで、あまり前に進まない印象がある。映画にしたらきれいな作品になりそうだななんて思いながら読んだ。

 クレジット破産等の社会テーマとミステリー部分のバランスがイマイチ前より過ぎると思う。もう少し後ろよりのほうが楽しい作品になっただろう。期待が大きかっただけに少し残念
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2009年08月20日

心とろかすような 〜マサの事件簿〜(宮部みゆき)

kokorotoro.jpg タイトルの通り、今回のストーリーテラーは私立探偵事務所の飼い犬だ。ひねりがあるから楽しく読めるが、ちょっと飽きてくる。

 しかし、小学校のウサギ惨殺事件のラストはかなり気に入ってしまった。メインストーリーではないが、かわいそうな鉄工所の飼い犬ハラショーの死が衝撃的すぎて・・・。こっちがメインだなぁ。個人的には。

 最後の短編では作者自らが登場したりしてちょっとお茶目な短編5話の作品なんだが、ハラショー編だけでもいいな。満足。
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2009年08月14日

長い長い殺人(宮部みゆき)

nagaisatujin.jpg 登場人物の「財布」を語り部として、保険金殺人事件を描く実験的作品。もう一度読みたいとは思わない手法だなぁ。

 手法は別にして、物語はすばらしい。サイドストーリーも付属するし、メインストーリーはラストまで真相がわからない緊張感が持続する。展開が代表作「模倣犯」に似ていることから好き嫌いはあるだろうが、実験的手法の採用のため期待していなかっただけに満足だ。
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2009年08月12日

自選ショート・ミステリー2(日本推理作家協会編)

shortmis2.jpg 「大沢在昌から宮部みゆきまで33名」と帯に書かれたショート・ショート。

 気晴らし及び新しい作家探しに読むにはちょうど良い。1ではなく2を選んだのは、それしかなかったからにすぎない。つまり古本屋でゲットということ。33編もあれば駄作も多くなるが、ショート・ショートだし、さすがに協会編だからけっこうヒット率が高いと思う。

楽しかった!


 気に入った作品を少しだけ記しておくことにしよう。

 「ホーム・パーティー(新津きよみ)」はとってもきれいなエンディング。いい作家だなぁと思う。
 「錆びたハーケン(谷甲州)」は山岳小説っぽく、スマートでクールな作品。
 「ビジター(五十嵐均)」はありふれたテーマとオチながら、読ませる筆力を持つ。オリジナリティがないのが残念だが期待できそうだ。
 「妻の秘密(小林久三)」は私の芸風ではないものとても短い話のなかに上手にテーマを盛り込んだショート・ショートのお手本のような作品。
 「奇跡(依井貴裕)」は本作イチオシの作品。きれいだし、物語のスケールが他と比較して圧倒的に大きい。ショート・ショートのエッセンスをすべてつぎ込んだいい作品だ。作者は、今年甲子園にも出ているらしい関学の出身ということで、関西人の私はちょっとひいき眼かもしれないな。
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2009年08月06日

クロスファイア(宮部みゆき)

crossfire.jpg 裏の正義を遂行する超能力ヒロインを軸に話が進む。最後のどんでん返しが小気味よいが、それがなければB級アニメか少年週刊誌に近い。

 少し酷評にすぎる気もするが、それだけほかの作品にインパクトがあったということか。

次を楽しみにしようっと

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2009年08月03日

水の中のふたつの月(乃南アサ)

mizuno2tu_asa.jpg もうこう続けるとパターンが読めてくる。男の話はほぼない。っていうか男の描写が下手糞だと思う。そもそも、男性作家の女性の書き方、女性作家の男性の書き方って難しいだろうなと思う。同性の気持ちもわからないのに、どうして異性を描けようか。
(ま、SFなら別だろうが・・・だからSFが好きなのかな?)

 で、仲良し女友達3人組の本作。半分ほどで展開が読める。どんでん返しがあるわけでもなく、エピローグもさっぱり。面白くなかったな。しばらくこの作家やめようっと。
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2009年08月02日

二十四時間(乃南アサ)

24_asa.jpg 懲りずに短編集。私小説っぽい短編が時間になぞらえて24話入っている。

 しょうもないと思いながらも、中にはハッとするような部分がある。ずる休みの思い出から人生のずる休みへ、そしてその間に時間が消えてしまうという認識、予備校生活を楽しみながらも大学の校歌をうたう夢追い若者を憐れむ気持ち、車窓から見える洗濯物に別の人生を感じる瞬間(これって平行宇宙の感じだなぁ)、同僚の風呂の入り方で感じる見えない人格等・・・。

 本当につまらないんだけれど、再読するために持っておこうかなって思うような作品。しかし、特別ではない。もう2,3読んでみようかな。

 ちなみに、おふろの話では、同僚が石鹸をそのまま地肌にこすりつけるとある。湯でぬらさずにというのは大げさだが、私も石鹸を直接地肌につけるタイプである。タオルで泡立てることはあまりしない。

 これってそんなにおかしいのかな。手だって顔だってそうすると思うけれど。ふろは一人で入る。だから、その日常性の部分は他人の目には触れない。でも正しいと思っていたことが崩壊するときって楽しいだろうな。

 ふろの話に限らず、予備校生の歌う姿で自分はこいつらとは違うと認識するあたりも含め、ちょっとしたことで気づく自分の内面を語っている短編が多く、それはとっても面白いと感じた。意味もなく旅先でスーパーに入って疑似地元民を楽しむという話もあるが、それって私と似ているなと感じた。こういう意味では面白い短編だったかな。
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2009年07月28日

トゥインクル・ボーイ(乃南アサ)

tckboy.jpg 少年少女の純真さと隠れた本性。後者は大人が持つあまりに汚いものだったという短編7編。どれも後味が悪いし、筋が雑な感じがする。

 作品は、「トゥインクル・ボーイ」「三つ編み」「さくら橋」「捨てネコ」「坂の上の家」「青空」「泡(あぶく)」

少し残念

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2009年07月26日

きまぐれロボット(星新一)

kimagure.jpg 懐かしい。ただ、懐かしい。

 トイレにおいて毎日一話ずつ読んだ。楽しいファンタジーだ。今でも通じるお話がほとんどだが、後10年もするとたぶん意味がわからないお話もあるだろうな。
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2009年07月23日

五人のカルテ(マイクル・クライトン)

5ninkalte.jpg 「ERの原点となったノンフィクション」らしい。ノンフィクションってのにちょっと引っかかるが、クライトンは久しぶりなので楽しみにしていた。

 でもね、途中で断念。1960年代のアメリカの医療現場には興味はないね。医師の苦労は分かるけれど、サラリーマンだって苦労するのさ。
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2009年07月22日

ステップファザー・ステップ(宮部みゆき)

step_miya.jpg 1993年の短編集。「ステップファザー・ステップ」「トラベル・トラベラー」「ワンナイト・スタンド」「ヘルター・スケルター」「ロンリー・ハート」「ハンド・クーラー」「ミルキー・ウェイ」の全七篇。

 すべて登場人物は同じで、ライトタッチの作品集。4コマ漫画的なお話かな。一応はミステリーの形態だが・・・・駄作
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七つの怖い扉(新潮文庫)

7tutobira.jpg 井戸が主役の「迷路(阿刀田高)」、イマイチ乗り切れない「布団部屋(宮部みゆき)」、とてもオチがすばらしいと感じた「母の死んだ家(高橋克彦)」、妹と両親を亡くした少女というお決まりの展開だがなぜが読みいってしまう「夕がすみ(乃南アサ)」、ローズマリーの赤ちゃん風の「空に浮かぶ棺(鈴木光司)」、オチもいいし、展開もアップ店舗で小気味良い「安義橋の鬼、人を喰らふ語(夢枕獏)」、評判がいい割には駄作だと思う「康平の背中(小池真理)」の七つの怖い話。

 いろんな作家の展覧会的な作品集だ。得手不得手はあるだろうが、それぞれに色が出ていて面白い。特段これと思うような作品はないが、当たり前の展開と結末を上手に書ききった乃南アサって、次に読んでみようかな。

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2009年07月18日

龍は眠る(宮部みゆき)

ryuunemuru.jpg 1991年の長編。サイキックを登場させ、こどもをもうけることができない男性の破談、耳が聞こえない女性の生活などの社会的ミニドラマを交えた架空世界でのスリリングなストーリー。

 7月は毎週末プール三昧だ。その休憩時間に読むのが宮部作品(理由は不明)。後半に入ってすぐにエンディングが読めることから驚きはなかったが、約 500頁の本作も楽しかった。明日は何にしようかな?
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2009年07月16日

T.R.Y.(井上尚登)

try_book].jpg 読み始めは緻密さの無い福井晴敏作品って感じ。主人公を軸に話が進むのでわかりやすい。

 でも甘い。どんでん返し満載なんだが、緊張感に欠ける。なんでやろ? 登場人物に感情移入できないからなんだが、書き込みが足りなということか。ハードカバー故重かったから一気読みしたが、それなりの作品かな。
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2009年07月14日

ショートショートの広場 6(星新一編)

shortshort6.jpg トイレに置いて、毎日一話ずつ読んだもの。いろんなライターがトライするショートショート作品集57編だ。

 「一読、感嘆!」とコピーされているが、駄作も多い。でもたっぷりと楽しめた。中でも落語調の「呑人壷(人を食った壺)」は 最高!
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魔術はささやく(宮部みゆき)

majutu.jpg 1989年の長編。とにかく 展開が読めない。どうなるのかわからない。終わったと思ったらまだ続く。催眠術という(ありえない)仮説のもとで、複数のドラマが並行して進みながら、大きなテーマに向かうさまは 圧巻 だ。

 いったいどうなるんだろうという思いが次々とページをめくらせる。今日は大阪-奈良を往復したんだが、車窓を楽しむ間もなく一気に読んじゃった。ジグソーパズルがピタリと決まる快感が本作の読後感だ。よかった。
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2009年07月13日

地下街の雨(宮部みゆき)

tikagai.jpg 続いて、1994年の短編集。面白くない「地下街の雨」、詰まり感のある「決して見えない」、ドキュメンタリータッチが斬新なだけの「不文律」、アイデア倒れの「混線」、二重のどんでん返しが小気味良い佳作「勝ち逃げ」、心を描く迫力の作品「ムクロバラ」、とても感じが良い「さよなら、キリハラさん」。

 特に最後の作品は、さらっと書いてしまうとなんにも残らない老婆の自殺というテーマを変わった仮設で書いている秀作だ。

今回も楽しかった
(けれど、小粒かな)

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2009年07月12日

とり残されて(宮部みゆき)

torinokosarete.jpg 1993年の短編集。ファンというほどではないにしても、筆力にはいつも 感嘆 する。まったく現実的ではないオカルトやSFチックな題材をして読者に飽きさせず、常にテーマを投げかける力に魅せられて今回もとても楽しく読んだ

 最高作は「たった一人」。未来は変えられるというハードSFではありえない力強い発想がすばらしい本作は、「いま、会いにいきます」ととても似ていると思う。4年前に見た映画だったが、未来を変えていこうとするヒロインの姿勢がとても印象的だったから。

 こんなタイム・パラドックスの作品、もっと読みたいな。

 作品は以下のとおり。

 ミステリーっぽい「とり残されて」、村の恐怖の「おたすけぶち」、ちょっとしたSFっぽい「私の死んだ後に」、イマイチと思える「居合わせた男」、さらにイマイチな「囁く」、どんでん返しが魅力の「いつも二人で」、そして傑作「たった一人」。
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2009年07月10日

深海のYrr(フランク・シェッツィング)

yrr.jpg 展開が読めない。汚染による突然変異生物が主役の海洋パニックかと思ったら、話はどんどん広がっていく。3分冊目の冒頭で「敵」の正体がおぼろげながらつかめてくる。

 ここまで「敵」をひっぱる筋も珍しい。いったいまとまるんだろうかと思いながら読み進める。単細胞知的生命体というアイデアもいいし、人類より太古から存在するというのもいい。知的生命体 Yrr とのコンタクトを含むエンディングがあっさりとしすぎていることだけが難点。続編出るかもね。

 そもそも本書は映画化を前提として作られているらしい。確かにばっさばっさと切り捨てられる登場人物やスリリングな展開、パニック盛りだくさんのシーンなど映画にぴったりの筋書きだ。

 問題は Yrr をどう表現するのか。エンディングをいかにピリッと見せるのかにかかっていると思う。難しいと思うけれど・・・。でも、きっと映画のほうがわかりやすいしいい出来になる様な予感がする。
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2009年06月21日

造物主の掟(J・P・ホーガン)

lifemaker.jpg 久しぶりのホーガン。

 スケールが大きな背景と緻密な展開が大好きな作家だから大いに期待した。有機体として進化し、ロボットを作ろうとする人類。ロボットとして進化し、有機体を作ろうとするロボット人。人類は生化学が不得意で、ロボット人はロボット工学が苦手。自分のことはわからないんだよね。
(この仮説は面白いと思う)

 途中でこれはと思うようなエピソードもあるにはあるんだが、やはりストーリーの骨格が面白くない。

残念


 本作品では、でたらめの心霊術師が登場してエセ超能力を発揮する。超能力を使ったストーリーテリングになんのためらいもないホーガンではないから、エセを一刀両断にする展開は素敵だ。

 多くのSFでは異星人が高度な科学技術を持っているのだが、土星の衛星タイタンで独自に発達した機械文明が人類の文明には遠く及んでいないって本作の背景もホーガンらしくて素敵だ。

 本作のコンピュータや機械が知性を持つという背景が私は大嫌いなんだが、上記2点のメリットのために我慢して読むことにした。

 でも、やはりロボットが知能を持ってってことになると興ざめ。途中で放棄してしまった。sigh
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2009年06月17日

スタータイド・ライジング(デイビィッド・ブリン)

startide.jpg ガイアに惹かれて2分冊にトライ。

 人類と知性化されたイルカの混成地球軍が古代の漂流艦隊を発見。この貴重な発見を横取りしようとする反地球軍がわんさか存在する。さて、この漂流艦隊はなに?ってなオープニングだ。

 設定の複雑かつ異様さ慣れてくると(宇宙のランデブーのように)物語に没頭できるようになる。

 ところが、読み進めるに従ってちょっとしたショートストーリーがたくさん出てきて、主題が何であるのかが分かりにくくなってしまう。古代の漂流艦隊の謎は解明されないし、戦場での不思議な体験もイマイチ説明し尽くされていない。

 確かに読み物としてはワクワクドキドキなんだろうが、うまく表現できないけれど未開のジャングルに漂着した人間と犬が力を合わせてジャングルを脱出するだけなんて筋に見えてしまう。

 なぜかフィットしないこの作品。理由は単純だった。ヒューゴー/ネビュラ・ダブルクラウン作品だからなんだな。残念。
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2009年06月11日

地球帝国(アーサー・C・クラーク)

t_teokoku.jpg タイトルから主題が想像できようか?

 タイタンからのクローン人間が母星地球に外交のため到着する。目的は4代目の自身のクローンを作ること。

 でも主題は地球外知的生命体とのコンタクトを熱望するクラークの思いで満たされている。ガンガゼからアンテナを想像することが出来るだろうか? 後半のファーストコンタクト計画部分だけでこの作品を読む価値がある(逆に言えば、それ以外は面白くない)。久しぶりのクラーク節が良かった!

コンタクトもの得意だなぁ

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2009年06月08日

スター・トレック TNG ハムソンの子供たち(カーメン・カーター)

humsun.jpg 映画の影響(?)で読みたくなった。ピカード艦長のシリーズ TNG だ。

 残虐な異星人に拉致・ペット化された人類を救ったが、彼らはまったくそれを望んでいなかったというオチなんだが、見方を変えれば人類の異環境への高い適合性を表しているようで面白い。

 文化・価値観が異なる異星人とのコンタクトを扱うから、勧善懲悪ではない。いい意味での妥協の結末となる。つまりとても現実的かもしれない。

 300ページちょっとで楽しく3時間程度を過ごせたから満足!
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2009年05月01日

へびつかい座ホットライン(ジョン・ヴァーリイ)

hebitukai.jpg 主人公が複数存在して、それぞれがストーリーを進めるという斬新的な(特に当時としては)作品。

 以前から読みたかった本だ。でも、期待したのはホットラインの謎そのものなんだが、むしろテーマは主人公とそのクローンたちの一見ばらばらの活躍そして最後の集約にあるように思える。それはそれで非常にきっちりとまとめあげており、きれいなエンディングとなっている、

 が、私好みかと聞かれると微妙。インベーダーやへびつかい座人等すべてがクリアにならないもどかしさが残る。100点満点ではないな。
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2009年04月23日

ガイア - 母なる地球 -(デイヴィッド ブリン)

gaia2.jpg 研究者が作ったマイクロ・ブラックホールが地球に落下。すぐに消滅すると思われていたが、なぜかブラックホールは成長を続けている。しかもそれは落としたものとは別物だった。

 地球を飲み込むべく成長する新たなブラックホールを調査した結果、それは地球外から来たものと判断せざるを得ないという結論に。これは宇宙兵器なのか?


 お決まりだが、地球は人類はそれどころではない状態なのに、地上ではブラックホール調査の副産物である重力波ビームを悪用しようとする一味が暗躍する。地球滅亡まであと少し。人類はどうなるのかってな活劇的ストーリーも織り込まれている(ちょっと余分かなぁ)。

 設定からして非常に期待できる作品。ストーリーも、ブラックホールによる影響を地表・宇宙とさまざまなところで書ききっていて、読むものを退屈させない。上下巻のハードカバーだったが、期待通りの作品で大満足

 とても気に入ったのでもう少し書こう。本作は、複数のストーリーが並行して進んでいく。少々退屈な、あまり主題とは関係しないようなストーリーもある。全体的に見れば、欲張らずに詰め込めば全体の40%はカットできるかもしれない。でも、それらはそれらで未来の地球を描くための駒として役割があるといえばあるのだから、無駄とは言い難いところだ。

 主題の地球危機及び敵は最後になって一気にファンタジックに解決する。この解決が気に入らない人も多いだろうと思う。実写から一気にアニメになった感じだから。「地球そのものが知性をもつ」「異星人が地球人を観察にくる」といった結末はあまりに安易かもしれない。

 しかし、そこに至るまでの地球の未来像は限りなく実写っぽく真実味がある。「ワールド・データ・ネット」と呼ばれる internet 網の発達・その進化形態とゴミ・消費といった地球環境問題への言及。脳にジャックインってなサイバーネットのさりげない否定、夢のような惑星探検・植民の否定など、真剣な未来像を描ききっているところがとても引き込まれる部分だ。
(くどいが、それだけにファンタジックな結末がほんの少し残念だ)

 本作は Apple II で買いたそうな。今からもう20年も前の作品だ。素晴らしい未来像だ。すばらしい発想だ。感嘆、感動の作品だと思う。本編を読み終え、素晴らしい作者自身の解説の後に、さらにエピローグを配置してくれるあたりの読者サービスも大感激(そのあとの訳者あとがきはまったく余分だが)。

本当にお勧めの一冊
ヴォネガット、バクスターを
初めて読んだ時以来の感動だ。
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2009年04月16日

太陽系辺境空域(ラリイ・ニーヴン)

thenkyo.jpg ノウンスペースシリーズの集大成と言える短編集。大粒小粒はあるものの、シリーズ全体を俯瞰できる本作はラリィ・ニーブンガイドブックとも言えるだろう。

 「待ちぼうけ」「戦士たち」「退き潮」が良かったかな。収録作品は以下のとおり。

 デビュー作品の「いちばん寒い場所」、同じくサイボーグものの「地獄で立ち往生」、超電導で時間がゆっくりと進む「待ちぼうけ」、火星人の進化を描く「並行進化」、火星での犯人追跡劇「英雄たちの死」、死刑宣告者「ジグソー・マン」、英雄たちの死の続編っぽい「穴の底の記録」、いまいちわかりにくい「詐欺計画罪」、無政府状態を描くけれどイマイチな「無政府公園にて」、クジン人との初交戦と人類の性を前に出した「戦士たち」、ベーオウルフが登場するマイクロブラックホールものの「太陽系辺境空域」、一大スター・ルイス・ウーが登場する「退き潮」、まったくイマイチな「安全欠陥車」。
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2009年03月28日

白鹿亭綺譚(アーサー・C・クラーク)

sirosika.jpg 楽しみにしていたショート・ストーリー。個人的にはハード系というよりはファンタジー系だと思うクラークのアイデア一本勝負の短編集。

 ほぼ新品なのでカバーをつけて読むことにした。気合いを入れてクラーク節を堪能する。しかし、あまりに古いから新鮮味はない。自分に夢がなくなったのかなぁ。

 作品は次の通り。「みなさんお静かに」「ビッグ・ゲーム・ハント」「特許出願中」「軍拡競争」「臨界量」「究極の旋律」「反戦主義者」「隣の人は何する人ぞ」「とにかく呑んべは」「海を掘った男」「尻ごみする蘭」「冷戦」「登ったものは」「眠れる美女」「アーミントルード・インチの窓外放擲」。

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