2007年05月08日

川の深さは(福井晴敏)

はじめての福井節

kawano_fuku.jpg 私にとってはガンダムとか戦国自衛隊のイメージが強い(=あまり好みではない)作者だ。

 予備知識なしで読み始めた作者の処女作は、最初写実的過ぎて読み疲れると思った。

 マークIIとかマルチプランとかOS2とかフロッピーディスクとか、少し前の時代を感じさせる背景に少し違和感もあった。

 しかし、読み進めるとそうした贅肉や雑感がこぼれ落ち(自分の視界から外れだしたに過ぎないかもしれない)、筋をまっすぐに追える楽しさが出てきた。

 ロボット戦士化された少年と世を捨てた元警官を軸に筋がどんどん進む。乾ききったと思われる二人が熱い情熱を持って共感していくあたりはなかなか面白い。

 全体が俯瞰できる頃になるとこの作品の面白さが味わえるようになる。スケールが大きいというか、おおざっぱというか、ある程度予想される展開も多々あるが、とにかくアメリカや北朝鮮の影を使いながら、幾度となくどんでん返しを突きつけてくるあたりに小気味よさを感じる。

 惜しいのは、少年と元警官の描写が過ぎており、ほかの登場人物が薄っぺらくなってしまうことだろうか。ほかの福井節では、脇役がどのように描かれているのか確かめてみたいな。
posted by いなえしむろ at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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