2004年07月05日

太陽強奪(エドモンド・ハミルトン)

ウルトラマンである

 地球人を主役として、異星人との組み合わせによる銀河系のパトロール部隊が、これまた別の異星人を倒すという短編集の単純ストーリー。まったくの偶然性により正義は必ずというウルトラマン・ストーリーである。

 その中でも本書は我が太陽が奪われるという題材を中心に描いている。もちろん、描写は細かいし、それなりに楽しめるストーリー展開であるが、所詮はウルトラマンなのである。艦隊のスピードはが示し、灯りは電球である。しかも宇宙にはエーテルが満ちあふれている・・・。まったくつまらない・・・。

 エーテル。17世紀に、ニュートン光は粒子であると説いた。対するホイヘンス光は波動であると説いた。劣勢のホイヘンスは、波動を伝える媒体として架空の物質「エーテル」を考え出し、ニュートンを負かそうとした。実にこのエーテルはホイヘンス本人が気づかない間にアインシュタインの頃までだまし続ける世界最大の嘘となった。

 太陽強奪は、なんとこの嘘がまかり通る時代に発表されている。時に1929年。これは大いに驚きである。この時代に、スピカやアルクトゥルス星人が登場するストーリーをここまで豊かに書けたのかともうと感動すら覚える。スターウォーズの原型もここにあるのではないか? スペースオペラの原型はすでにここに完成されていたのではないか? こう思うほどの作品だと気づいた。

 おもしろくない本だった。でも、その時代を考えると、今の作家たちがここまで想像力に富むのかどうか疑問にも思えてくる。当時ネビュラ賞があったら受賞していただろうな。
posted by いなえしむろ at 22:08| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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