2005年01月20日

ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを(カート・ヴォネガットJr.)

絶賛

 1965年に発表されたすばらしい作品である。先に読んだ「タイタンの妖女(1959年)」が冗長に感じる。テーマは金と愛である。

 もしわれわれが、人間を人間だから大切にするという理由と方法を見つけられなければ、そこで、これまでにもたびたび提案されてきたように、彼らを抹殺したほうがいい、ということになるんです

 主人公のよき理解者である(作品中の)SF作家の言葉である。作者は主人公だけではなく主人公を含め全員を使い捨てにする(この点はアメリカ的だと思う)代わりに、登場人物には自らの意見を堂々と述べさせることに成功している。まだ2作しか読んでいないが、きっと彼の作品は徹底し、統一されたこどもっぽい「反現実」的なテーマがあると思う。

 私はSFの世界ではアーサー・C・クラークが大好きだし、日本では掘晃が好きである。しかし、作者であるカート・ヴォガネットJr.はSFというジャンルでは捉えきれないものがある。SFは彼にとって主題を演奏するための舞台に過ぎない。

 いやぁ、久しぶりにいい作品に巡り会えた。少し時間をおいてから、彼の他の作品も読んでみたいと思う。

jr
posted by いなえしむろ at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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